「なんか、懐かしい…記憶…」

甲ちゃんが言った




「え、なにが?」



「昼休みバスケしてて…
後ろから、抱きしめられた…」



「あ、あの時?
甲ちゃんがぶつかって…」



「うん…」



「やっぱり、気付いてた?
抱きしめられたって…」



「うん…
でも必死に気付かないふりした
気のせいだって、思うようにした」



「うん…」



「あの時は
もっと小さかったよね…律
なのに、私のこと、守ってくれた
嬉しかった…」



「チビだったね、オレ」



「うん…でも、ちゃんと男の子だったよ
一瞬だったけど、ドキドキした…

今は、もっと、ドキドキしてる…」




あの時…

中学1年生だったオレ



子供のくせに…




でもあの時も
真剣に先生が好きだった




甲ちゃんから見たら

今も子供かもしれないけど…