仕事も 私生活も 順調で 単調な毎日。 聡は 日常に流されながら それなりに 楽しく過ごしていた。 特定の恋人は 作らなくても 割り切って 遊ぶ相手なら 聡は 不自由しない。 啓子とは 年に一度 バレンタインデーに 食事をするだけで 何も 変わらないまま 月日が過ぎていく。 東京で行われる 展示会に 会社から 行かせてもらうことになった聡。 入社して六年目。 聡は 中堅社員になっていた。