入社研修で 吉野さん達は 二十才を過ぎると 時間が経つのが 早いと言っていた。 啓子の毎日も 驚くほど 早く過ぎていく。 毎日する仕事、一週間でする仕事、一ヶ月でする仕事。 淡々と 仕事をこなしているうちに 一年が過ぎていく。 聡と啓子は 恒例のように バレンタインデーに チョコをあげて 一緒に ステーキを食べるだけで 互い 何も変わらない。 聡は 片思いが 実った様子もなく。 新しい恋人が できた素振りもない。