半年が過ぎ 少し 周りが見えるようになった啓子は 聡が すっかり 職場に 馴染んでいることに 気付いた。


明るい聡は 先輩達と 冗談を言いながら 取引先の 話しをしている。
 


「横山 昨日 言ったカタログ 用意できた?」


聡を指導している 主任に聞かれ、
 

「バッチリです。」


と笑顔で答える聡。


同期だと 信じられないくらい 聡は 余裕がある。
 


いつも笑顔で 誰に対しても 変わらない態度の聡。


聡が 事務所にいると 啓子は 聡の姿を 目で追ってしまう。



聡は そんな啓子に 全く気付いてないのに。



フッと 小さくため息をついて 伝票に 目を向ける啓子。



それでも 聡と 同じ空間で 仕事ができることは 嬉しかった。