お母さんは秘密にしてるようだが、わたしは知っている。

この薬は前の薬より強いものだと。

そして、病が進行しているから前の薬じゃ効かなくなっているということを。

偶然に、看護師さんとお母さんが話しているのを耳にしてしまった。

分かってはいたが、私の体はどんどん悪くなっているんだ。

「うっ!!」

突如吐き気をかんじ、横に置いてあった洗面器に手を伸ばす。

「蓮花!?大丈夫?」

お母さんは慌てて私の背中をさする。

この薬だけじゃない。体調が悪い方向へ変わっていくのが自分で分かる。

最初は頭痛だけだったのに、吐き気、めまい…

もう薬の副作用なのか、病気の症状なのか全く私には見当がつかなかった。