さっちゃんがもう手を握り返してくれないという知らせだ。

どんなに私がさっちゃんを呼んでも

どんなに私がさっちゃんの手を握っても

どんなに私がさっちゃんに会いたくても

もう二度とさっちゃんは私に笑いかけてくれない。

遠くにいってしまったんだ。

私は放心状態で、さっちゃんの手を握っていた。

さっちゃんの温もりを消したくなかった。

さっちゃんのお母さんがその上に手を重ねて、私を見た。

「朔はあなたに最期伝えたいことを伝えられて本当に良かったと思うわ。」

私はその言葉を聞いて、自分の視界がゆがむのを感じた。