入院の一日はとても長い。

今ままで光の速さで過ぎ去っていた時間が何十倍もの遅さになっているようだ。

「本当に晴くんとみのりちゃんに言わなくてよかったの?」

ベットに寝てる私の横で心配そうに母が聞いてきた。

私は黙って頷く。このやり取り何回目だろうか。

晴と最後に会ってからもう2週間たった。

あんなに暑かった日々も通り過ぎ、今では少し肌寒く感じる時もある。

私の病室の窓から見える木々の葉も赤く染まっていた。

本格的な秋の始まりだ。

これも最期になるんだろうな。毎日そんなことを考えるようになった。

当たり前に見ていた季節の移り変わりは私にとって最期。

正直どう見ていいか分からない。