「わぁー!!響さんと撮った殺陣のシーン、すごい人気ですね。再生回数がすごいですよ」



 休憩していた響と斉賀は、先ほどから千絃達が更新した動画を見ていた。隣に座っていた斉賀は興奮した様子でスマホ画面を響の方へと向けた。響はそれを覗き込むと、確かに先ほど更新したという知らせが来たばかりなのに、かなりの回数が再生されていた。


 「本当ですね……すごい……」
 「コメントも褒めてくれるものばかりで嬉しいですねー!でも、そのままの響さんがまずかっこいいから当たり前ですよね」
 「そんな事ないですよ。……皆さんの映像が本当にかっこよくて……それに見る角度がいろい変わるのもすごいですよね。見入ってしまいます」
 「月城さんのカメラワークすごいですよね!本当に先輩は何でも出来るんですよー。制作者の名前なんてファンは知らないことが多いんですけど、月城さんの名前があると当たりのゲームだって有名なんですよー。それぐらいの実力者なんです」
 「………そうなんだ………」



 斉賀の話を聞いて、響は思わず千絃の方を見てしまう。先ほどまで作業をしていたはずなのに、モーションの確認がしたいと、響のところに来ていたのだ。今は数人のスタッフと何やら話を進めている。
 彼がこの世界で有名なのは知らなかったけれど、会社内で慕われているのは見ていればわかる事だった。そして、いつも彼が見せてくれる映像は響を驚かせるものばかりだった。