(そういえば寄るところがあるって……)


盗み聞きしたのは悪いと思ったけど、聞こえてきたんだから仕方ない。

私は黒炎くんの後をつけようと密かに決めたのであった。


そんなに気にしてはなかったけれど、黒炎くんは名字を言っていない。

私と再会したときも、今だってそうだ。
これって急な引越しと何か関係があるのかな?


* * *


学校が終わると、私はお母さんに「友達と遊ぶんだ」と嘘をついた。


そして、今は黒炎くんに気付かれないように尾行をしている私。


(これって、はたから見たら、ただのストー〇ーじゃん)


せっかく同じクラスになれたのに、話せなかったし。

さすがにバレたらマズいと思いつつも真相を確かめるまでは! と、この恋を諦めきれない私であった。