「あ!橘先輩!」
沢田さんだった
「沢田さん、おつかれさま」
「え、もしかして…」
「うん、彼女…」
沢田さんが椛をジッと見た
「はじめまして!
私、実行委員で橘先輩にお世話になりました
沢田です
先輩、最初は彼女いないとか言ってたくせに
私、騙されました!」
「あ…あの…私、一瀬です」
「メガネかけてごまかしてるけど
私、騙されませんよ!
…
メイクしてないのに、こんなに綺麗
顔も性格も
私、結局かなわなかったな…
…
お似合いのカップルですね♡
学園祭ベストカップルに投票しますね!
…
私の口からみんなに広める気なかったけど
先輩、めちゃくちゃ注目されてますよ
学校中に知れ渡りましたね」
沢田さんが笑った
気付いたら周りの人がみんな見てた
椛が恥ずかしそうにした
「椛、行こう」
「うん…」
「沢田さん、じゃあね…」
「いいな…」
沢田さんがボソッと言った
「一瀬さん!
橘先輩、彼女のことが大好きだって
さっき言ってましたよ!
…
私、ぜんぜん相手にされませんでした
…
でも今
一瀬さん見て、納得しました
…
お幸せに…」
沢田さんの声を聞いて
椛が少し嬉しそうにした



