月刊ヤングMAGAZIN


「あ!橘先輩!」



沢田さんだった



「沢田さん、おつかれさま」



「え、もしかして…」



「うん、彼女…」



沢田さんが椛をジッと見た



「はじめまして!
私、実行委員で橘先輩にお世話になりました
沢田です
先輩、最初は彼女いないとか言ってたくせに
私、騙されました!」



「あ…あの…私、一瀬です」



「メガネかけてごまかしてるけど
私、騙されませんよ!

メイクしてないのに、こんなに綺麗
顔も性格も
私、結局かなわなかったな…

お似合いのカップルですね♡
学園祭ベストカップルに投票しますね!

私の口からみんなに広める気なかったけど
先輩、めちゃくちゃ注目されてますよ
学校中に知れ渡りましたね」


沢田さんが笑った


気付いたら周りの人がみんな見てた


椛が恥ずかしそうにした



「椛、行こう」



「うん…」



「沢田さん、じゃあね…」



「いいな…」


沢田さんがボソッと言った



「一瀬さん!
橘先輩、彼女のことが大好きだって
さっき言ってましたよ!

私、ぜんぜん相手にされませんでした

でも今
一瀬さん見て、納得しました

お幸せに…」



沢田さんの声を聞いて

椛が少し嬉しそうにした