「あの時もね
私はドキドキしてたよ…」
「え…」
「布団の中で
嵩琉とふたりでいると
いつもドキドキしてた…」
「だって、あの時、まだ5歳ぐらいだった…」
「うん
子供でも、ちゃんとドキドキしてたよ」
懐かしい…
布団の中の椛の声
たける…たける…って
何度もオレの名前呼んでたのを思い出した
「え、5歳でも
なんか、変なこと考えてたとか?」
「なに?変なことって?」
椛が少し笑った
「え、なんだろう…
…
例えば…
オレの場合…
…
椛、かわいいな…とか
…
椛とキスしたいな…とか
…
椛の胸さわりたいな…とか
…
椛にもさわってもらいたいな…とか!」
椛は、また笑った
「変なことって…
そんなこと…考えてないよ
5歳だもん…」
「じゃあ、オレ、5歳以下?」
「うん」
「笑うな…」
「だって…」
椛がクスクス笑うたび
肌がサワサワ触れて
変な気持ちになる…



