嶺の寝起きの悪さはこの一カ月でよくわかった。

いつもは朝食を食べながら目を覚ますのに。

そんな嶺がこんなにすっきりと目を覚ますはずがない。


きっと私を起こさないように、抱きしめたままでいてくれたんだ。



私のついた嘘と嶺のついた嘘。

嶺のついた嘘の温かさに、少し鼻の奥がつんとした。