中には男も女も、数えられないくらい居た。

いや、部屋に入る数なんてたかが知れている。数えられるほど長く目を当てられなかったと言う方が正しい。


そこにいる全員が乱れ狂っていた。

獣と言うにも獣に失礼なくらい、乱れて盛っていた。

3P、フェラ、男同士、女同士……。相手も選ばず、空いている奴同士でまたセックスを始める。集団で1人を犯している奴らもいた。


そして。


そして、何よりも気味が悪かったモノ。
それは――彼らの目。



こいつら、普通じゃない……!


見た瞬間、私はそう直感した。
完全にイカれた目をしていた。



――それから。



その乱れた場で唯一服を来て、足を組んで椅子に座り、口元に邪悪な笑みを浮かべた男。


部屋の奥に居るはずなのに、大きく見える。
彼の周りの空気が淀んで見えた。




それは――




私の実の兄。




その部屋でただ1人、焦点のあった目で私を刺す。



『……お前も交ざるか?』



低く地を這うような声に、どうしようもない恐怖を覚えた。




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