シングルマザーの私が学生と恋♡するんですか?

 私は階段を下りてからため息を吐き出した。

 颯太にとって鳴海くんは、家族以外で初めて関わる大人の男性だ。父親を知らない環境で育てたから、私の“恋人”だという事を上手く伝えないと混乱させるかもしれない。

 リビングのソファーに座り、ぼうっとしていると、既にパジャマ姿の母に声を掛けられた。今まさに寝室へ行くところだったのだろう。

「どうしたの、沙耶」

「……え?」

「何か疲れた顔してる。仕事で何か悩みでもあるの?」

「えっ、あ。ううん、別にそんなんじゃないよ。ちょっとだけ、考え事してただけ」

「……そう?」

「うん。ごめんね、寝る所だったんでしょ? お父さんはもう寝たの?」

「ええ、今夜は早くからお酒を飲んだからもうグッスリ」

 そう言って母は、呆れ顔で肩をすくめた。

 沙耶も早く寝なさいよ、と声を掛けられ、分かったと返事をした。

 ーーお母さんって凄いな。私がどうしようって迷ったり悩んだりしてる時、決まって気にかけてくれる。

 颯太が今朝の事をどう受け止めたのかは分からないけど。私がこんなに不安定じゃいけないよね。

 スウェットのポケットから携帯を取り出し、時刻を確認した。あと数分で九時になる。

 ーーこの時間から電話を掛けても大丈夫かな?

 メッセージツールを呼び出し、鳴海くんとのトーク履歴を見つめた。