「さっきはごめんね?」


「あっ、大丈夫です・・・・・・。美舟さんに、会えなくなるの・・・寂しいです」


 それは本当だった。


 美舟さんが雅暉さんと付き合っていることがつらかったのは本当だけど、美舟さんに対して嫌な気持ちを抱いたことはない。


 いつも優しくて綺麗な美舟さんに密かに憧れすら抱いていた。


「わあ、そんなこと言ってもらえて嬉しいな~・・・。あたしも寂しくなるよ」


 美舟さんは本当に寂しそうな顔をしていた。


 そりゃあそうだ。


 家の事情のせいで雅暉さんと別れてここを離れないといけなくなってしまったんだ。