「いや~・・・・・・僕は行かないよ」 雅暉さんは少し考えてから空さんに返事をした。 その顔はどこか悲しそうに見えた。 答えるまでの間、少しドキドキした。 「あたしね・・・・・・・・・」 室内が一気に静かになった。 美舟さんは全てを話してくれた。 美舟さんは北海道じゃ有名な資産家の娘で、昔から親が決めた結婚相手がいたこと。 25歳になったらその許嫁と結婚するように言われていたこと。 それが嫌で大学を卒業後、家を飛び出してここまでやって来たこと。