学会当日。
買ってもらったスーツに袖を通す。

やっぱり可愛い…
安いリクルートスーツとは大違い。
ピンクベージュってのもなんか新鮮。
自分じゃこんなの選ばないから、
なんかフワフワした感じ。

そう思っていると、和弥さんが来る。

和弥「うん。これにして正解だな」

和弥さんにもそう言われて、余計ニヤけてしまう。

「そう?良かった。ありがとね、買ってくれて」

和弥「いや、こっちこそ悪いな、付き合わせて。」

「ううん、大丈夫。役に立てるなら、立ちたいし。
このスーツに見合うだけの仕事しないとね。」

そんなことを話ながら和弥さんと一緒に会場に向かう。
さすがはお医者様の学会で、立派なホテルが
会場だった。中に入ると、京介さんがいた。

京介「亜妃ちゃん、今日はありがとね!
1日よろしく。」

「こちらこそ、お願いします」

そう言って色々な説明を受ける。
会場案内もあるから場所の確認の為に
ホテル内を案内してもらうことに。

和弥さんは和弥さんで発表の準備が
あるとかで別会場に行ってしまった。

京介「…大体こんな感じなんだけど、大丈夫そう?」

「た、たぶん…?」

京介「そんなに緊張しなくて大丈夫だよ。
学会発表中は来賓も中に入るから、
ゆっくりしててもらって構わないから。」

「はい。」

京介「じゃ、そろそろ会場入りしてくると思うから
お願いね。」

もう一度、貰った資料に目を通し、
場所の確認をしてから持ち場につく。