どれくらい経っただろう。
いよいよ呼吸がしにくくなってくる。

私…多分このまま死ぬな。

でも捨てられるくらいなら、いっそ今死んだ方がマシ。

咳も頭痛も酷くなり、だんだん意識が遠くなる。

その時、玄関が開く音がして部屋のドアが開けられる。

和弥「亜妃、ごはんどうし…っ‼︎あき⁉︎」

「…っヒッヒッ…ヒュー…」

息ができなくなってる私をみて慌てて近づいてくる。

和弥「亜妃‼︎しっかりしろ!薬…
はっ?ない⁉︎なんで…ちょ、すぐ病院行こうな。」

「…ヒュー…ヒッ…」

朦朧とする意識の中、どこかに電話をした
和弥さんに抱えられて病院に連れて行かれた。
車が止まったと思ったら慶太さんの声が聞こえた。

慶太「亜紀ちゃん‼︎」

和弥「慶太!」

慶太「なんでここまでに⁉︎
薬飲んでなかったのか⁇」

和弥「いや…残薬が…なくなってた」

慶太「はぁ⁉︎どういう…いや。とりあえず
このままじゃまずい。すぐに処置しよう。」

すぐにストレッチャーに乗せられる。

遠くで微かに和弥さんと
慶太さんが話すのが聞こえるけど
目を開けるのも声を出すことも
指1本動かす事さえもできない…

慶太「呼吸怪しいな…酸素の上がりも悪い。
挿管準備‼︎鎮静かけて」

処置をされ、みんながバタバタとしてい
るのはなんとなく分かったけど、意識はそこで途切れた。