イケメン同級生は、地味子ちゃんを独占したい。

「あいつらの言うこと、気にしなくていい。俺の言葉だけ信じて」



ありえないのに、真剣な表情でそう言う万里くんに何も言えなくなってしまう。恥ずかしくて、顔に熱が集まっていくのがわかった。



「あいつらは、桜のよさがわからない、ただのクズだ」



これは……励ましてくれてるんだよね?

万里くんなりに気をつかって、「可愛い」ってお世辞を言ってくれているんだよねっ……?

わかっているのに、顔が熱くて仕方ない。そんな言葉、男の子に言われたのは初めてだったから。

こんな私にお世辞を言ってくれるなんて、万里くんはやっぱりいい人だ。



「……ありがとう、万里くん」



お礼を口にして、微笑んだ。



「万里くんはほんとに優しいね」



私の言葉に、万里くんはなぜか不満そうに見つめ返してきた。



「……別に、誰にでも優しいわけじゃない」

「え?」