イケメン同級生は、地味子ちゃんを独占したい。

「クズすぎだろ~」

「でも日奈子ちゃん誘ってくれるのは神だな~」



楽しそうに、ギャハギャハと笑っている男の子たち。

いつの間にか視線が下がっていたため、私は気づかなかった。

万里くんが――どんな顔で男の子たちを見ていたのか。



「……ぶっ殺す」



地を這うような低い声が聞こえて、思わず顔を上げた。

……っ、え?



「……ば、万里くん!?」



持っていた自分のカバンを置き、西田くんたちのほうに向かって歩き出した万里くん。

な、何しようとしてるんだろうっ……!?



「ど、どこ行くの、万里くん……!?」

「大丈夫。千里に鍛えられてるからケンカなら負けない」

「え、えっ……!?」



ケンカって……もしかして、西田くんたちに文句言う気かなっ……?

それは絶対、ダメッ……。



「ま、待って……!」



私はとっさに、万里くんの手を握っていた。