イケメン同級生は、地味子ちゃんを独占したい。

私のことを“あいつ”と呼ぶ西田くんに、ショックを受けた。本当にいい人だと、思っていたから。



「つーか、西田って桃井のこと気になってんの？　桜ちゃんとか名前呼びだしさ」

「は？　お前ふざけてんの？　んなわけないだろ、あんなブスに興味ねーよ」

「だよな～」

「名前で呼んだり、あいつに優しくしてんのは、日奈子ちゃんと仲いいからだし。明日、桃井経由で日奈子ちゃん合コンに誘ってもらうつもりだから」



……そう、だったんだ……。

そんなふうに思われていたんだと傷ついたけど、どこか冷静な自分もいた。

怒りはなくて、その代わり諦めのような気持ちが込み上げた。

仕方ないよね……私、こんな見た目だもん。

誰にでも分け隔てなく優しい人って思ってたけど……まさか西田くんが、こんな感じの人だったなんて。

西田くんに対してというよりも、自分自身の人を見る目のなさに落ち込んだ。