イケメン同級生は、地味子ちゃんを独占したい。

そう後悔したけれど、どうやら怒っているわけではなさそう。



「は、早く終わらせて帰ろ」



ただ、焦ったように私から視線を逸らし、作業を再開した万里くん。



「うん……!」



そうだよね、早く終わらせなきゃ……!


「終わった……」



万里くんのおかげで、ものの数分で残りのプリント留めが終わった。

あんなに残っていたのに、ほとんど万里くん1人にさせちゃった……。



「ありがとう、万里くん……!」

「どういたしまして」



お礼を言うと、万里くんは優しく微笑み返してくれる。

ほんとに、いい人だなぁ……。

万里くんの優しさに、胸の奥が温かくなった。



「じゃあ、帰ろ」



笑顔でそう言った万里くんに、こくりと頷いた。

2人で教室を出て、廊下を進む。

その途中、万里くんが言いにくそうな表情をしながら、口を開いた。



「あの、さ……」