困った表情でそう打ち明けてくる西田くんに、笑顔で返事をした。



「うん、今日の放課後なら暇だよ。代わろうか？」



今日は晩ごはんの担当じゃないし、とくに急いで帰らないといけない予定もない。

雑用くらいなら、そこまでかからないだろうし、晩ごはんまでには帰れるだろう。

私の返事を聞いた西田くんは、ほっと安堵の息を吐いた。



「ほんとに？　ごめんね……すっごく助かる」



手を合わせて頭を下げる西田くんに、もう一度微笑み返した。


放課後。

お母さんには、【雑用係になったから帰るのが遅くなる】と連絡をいれておいた。

西田くんの言っていた雑用は、プリントを留めてしおりを作るというものだった。

簡単だと思ったけれど、量が多く、なかなか終わらない。

ふと外を見ると、綺麗な夕日が空に吊るされていた。



「わ……もうこんな時間かぁ……」