気にしないように食器を片付けていると、なぜか2人が私のほうに近づいてくる。



「地味ちゃんって、料理はできるんだね~」

「……ひゃっ……!」



三男さんに声をかけられ、びくりと身体が震えた。



「そんなに怯えないでよ。取って食ったりしないって」



ニヤニヤと意味深な笑みを浮かべる三男さんに、怯えないでいられるはずがない。

それより……地味ちゃんって、私のことかな……?



「まあ、ごはんは美味しかったよ。これからもよろしくね、地味ちゃん」



隣にいた長男さんも、そう言って向こうへ歩いていった。

地味ちゃん……まあ、なんでもいっか。片付けも終わったし、そろそろ学校に行こう。

まだ出かけるには早いけれど……万里くんと、時間をずらしたかった。



「桜ちゃん、万里と一緒に行かないのかい?」