私の作ったものなんていらないって言われたらどうしようかと……被害妄想が激しすぎたかな……?

で、でも、昨日の2人は怖かったからっ……。

今も、できれば至近距離は避けたい。

せめて5メートル……い、いや、10メートルくらいは距離をとりたい……。



「誰か万里を起こしてきなさい」

「えー、万にぃはほっとこ。勝手に起きるでしょ」

「あいつ起こしたら不機嫌になるから嫌だよ。まあ、いつも不機嫌だけど」



万里くんは、朝弱いのかな……?

そんなことを考えたとき、本日何度目かのドアが開く音がした。



「お、噂をすれば万にぃ」

「おはよ、万里」



あっ……寝癖……。

少しパーマがかった綺麗な万里くんの髪。

後ろ髪がまとめて変な方向に曲がっていて、意外な一面にくすぐったいような、言い表せない気持ちが込み上げた。