男の人がどれだけ食べるのかわからないから、少し多めに作る。

ていうより、長男さんたちは私が作ったものなんて食べてくれるかなっ……。

もし余ったら、お弁当にでも持っていこう。

20分くらいで、朝食を作り終えた。

テーブルに並べようと思ったとき、ちょうど支度を終えた悠里さんが戻ってくる。

カウンターに並べた朝ごはんを見て、悠里さんが目を見開いた。



「これ……桜ちゃんが作ったの?」

「え? は、はい……」

「すごいね。ホテルの朝食みたい」



なぜか感心している悠里さんに、恥ずかしくなった。



「い、いえ、簡単なものばっかりなので……」



大したものも作っていないのに、大げさだっ……。



「そんなことないよ。こんなしっかりした朝ごはんを家で食べるのなんて、いつぶりだろう……」



え……いつも、どんな朝食を食べているんだろう……?