すぐに眠気が襲ってきて―いつの間にか、深い眠りに落ちていた。


朝、目が覚めて、時計を見るといつもの起床時間だった。

6時……そろそろ起きなきゃ。

身体を起こして、ハッとする。

そうだ……私、昨日引っ越したんだった……。

とりあえず支度をして、リビングに行く。まだ誰も起きていないみたいで、シン……と静まりかえったリビングは昨日よりも広く感じられた。

朝ごはん……勝手に作ってもいいかな……?

いつも、朝ごはんは私の担当。

でも、勝手にキッチンを使うのは少し気が引けた。

悠里さんは「家のものは好きに使ってくれていいよ」って言ってくれたけど……。

そう悩んでいたとき、パタンとリビングのドアが開く音がした。



「あれ……桜ちゃん? もう起きたの?」



現れたのは、まだパジャマ姿の悠里さん。



「おはようございます……!」

「おはよう。桜ちゃんは朝早いんだね」