イケメン同級生は、地味子ちゃんを独占したい。

次男さんは、一瞬階段の下に視線を向けたあと、私の肩にそっと手を添えた。



「……とりあえず入って」



ぐいっと引き寄せられ、部屋の中に入れられる。

突然のことに抵抗することも忘れていたけれど、それ以上に、恐怖心が少しも現れなかったことに驚いた。

今……少しだけとはいえ、触れられたのに……。全然、嫌じゃなかった……。

こんなこと、初めて。

近い距離に男の人がいるだけでもいつもは怖いのに、どうして……次男さんは、平気なの?

驚いて、じっと見つめてしまった。

次男さんは私の視線に気づいたあと、何か慌てた様子で距離をとった。



「ごめん……男苦手って聞いてたのに」



……え?

そんなこと……私言ったっけ?

もしかしたら、悠里さんからでも聞いたのかな……?



「へ、平気ですっ……」



とっさにそう返事をしていた。

本当に、なぜか次男さんは平気だったから。