イケメン同級生は、地味子ちゃんを独占したい。

他のみんなはテレビを見たり、他愛のない話をしたりしている。

食器洗いを終わらせ、タオルで手を拭く。



「桜、先にお風呂入らせてもらいなさい」

「はい」



お母さんに言われ、浴室に向かった。


できるだけ早く出て、部屋に戻ろうとした。階段を上がり、ほっと息を吐く。

なんとか初日は乗り切れたなぁ……。部屋に戻ったら、明日の支度をしてもう寝よう。

そう思ったとき、次男さんの部屋のドアが開いた。

どこかへ行こうとしていたのか、ちょうど鉢合わせるような形になり、思わず「あっ……」と声が漏れてしまう。

次男さんも、驚いた様子で私を見ている。

何も言わず立ち去ったほうがいいかもしれないと思ったけど、私はさっき助けてもらったことを思い出した。

お礼、言わなきゃっ……。



「あ、あのっ」



勇気を出して口を開いたとき、下から三男さんと長男さんの声が聞こえた。