イケメン同級生は、地味子ちゃんを独占したい。

優しい微笑みを浮かべ、そう言ってきた長男さん。

その言葉がとても褒め言葉には聞こえなくて、苦笑いを返すことしかできなかった。

この人が一番怖いっ……。



「桜ちゃんと万里はツートップってわけか。あははっ」



悠里さんの笑い声が、リビングに響いた。

まだまだこの6人でいるのは落ち着かないなと思ったけど、悠里さんとお母さんが笑っているだけで、頑張れそうな気がした。


晩ごはんを食べ終わり、最初に席を立ったのは次男さんだった。

食器を片付けるためキッチンへ持っていったあと、何も言わずにリビングを出ていった次男さん。

私も部屋に戻ろうと、テーブルを片付け始めた。



「あ、ごめんね、桜ちゃん。片付けさせてしまって……」

「いえ、大丈夫です。後片付けは私の担当なので」

「あたし、食器洗い苦手なの……」



お母さんの言葉に、悠里さんは笑った。