「なんなの、その地味ファッション。ネタ?」

「こんな陰気な妹ができるのはちょっとなぁ……」



優しそうな人かなって思ったけど……どうしよう、すごく、怖い……っ。

でも言われていることは、正しすぎて反論できない。

そうだよね……。こんな姉妹ができるなんて、誰だって嫌がるだろう。



「……す、すみま、せん……っ……」



顔はあげられないけれど、なんとかそう声に出した。



「あれ、なんかめちゃくちゃ震えてない?」

「ていうかそのメガネ外そうよ。顔見えないしさ」



怖いっ……。

やっぱり、男の人は苦手だっ……。

ぎゅっと、胸の前で握っていた手をきつくした。

誰か助けて……っ。

心の中で願ったとき、背後からドアが開く音が響いた。



「……おい」



同時に、聞き覚えのある声が耳に入る。

次男、さん……?



「人の部屋の前でうるさい」