そこから出てきたのは、三男さん。そして、その1つ奥の部屋から、長男さんも出てきた。
突然の遭遇に、身体が固まる。

ど、どうしよう……何か挨拶とか、言ったほうが、いいのかなっ……。



「おー、改めて見るとすごいね~」

「ほんと、近くで見れば見るほど地味」



……え?

さっき玄関で会ったときとはまるで違う声色と、話し方だった。

人懐っこい可愛らしい笑顔を浮かべていた三男さんは、小悪魔のような笑みを。

悠里さんに似て紳士的なオーラを放っていた長男さんは、意地悪な笑みを浮かべている。

2人の豹変ぶりに、驚いて声も出なかった。



「椿さん美人だから、可愛いお姉ちゃんができるって僕期待してたのに、超ざんねーん」

「そうだな……これは予想外だ」



……っ。

長男さんと三男さんの言葉に、胸が痛んだ。

2人は私を見ながら、まだ何か話している。