悠里さんの言葉に、少しだけほっとするも、もやもやは晴れない。

歓迎はされていないだろうな……。次男さんとはとくに、関わらないようにしようっ……。

なんだか、初日にして前途多難……。



「桜ちゃん……顔色が悪いけど、大丈夫かい?」

「あ……は、はい」

「疲れただろう? 桜ちゃんの部屋は2階へ上がって一番奥にあるから、部屋に行って休んでね」



悠里さんは、「案内するよ」と言って立ち上がった。



「あ……だ、大丈夫です。1人で行けます……!」



一番奥なら、きっと間違うこともないだろうし……。



「そうかい……?」

「あたしも、荷ほどきしようかしら!」

「そうだね、僕も手伝うよ」

「ありがとう、悠里さん! それじゃあ……桜も、部屋で休ませてもらいなさい」



お母さんはそう言って、私の頭に手を伸ばしてきた。

わしゃわしゃと撫でられ、少しだけ緊張が解ける。