イケメン同級生は、地味子ちゃんを独占したい。

本当に不思議だけど、彼に対してはあまり警戒心が働かなかった。いつもなら男の人は、一目見るだけで真っ先に“怖い”と思うのに。

彼の、中性的な見た目のせいかもしれない。

さっき見た2人とは違うから……この人が、次男さんだよね……?

いつの間にか、じっと見つめてしまっていた。

そして向こうも、私のことをじっと見ていた。

とても驚いた様子で、目を見開きながら。



「……っ、は?」



彼の声が、リビングに響いた。

ひどく動揺したような短い声は、見た目に反して低く、男の人らしい。



「万里」



悠里さんが、彼に向かってそう言った。次男さんの名前は、万里さんというらしい。

彼は、悠里さんの声には反応せず、ずっと私を見つめたまま動かない。あまりにも見つめられすぎて、少しいたたまれなくなってきた。

私を見てすごく驚いてるみたいだけど……ど、どうしてだろう……?