イケメン同級生は、地味子ちゃんを独占したい。

悠里さんの言葉に、甘えてしまいたかった。

そうしてくださいって、言いたかったけれど……。

私はぐっと、言葉を呑み込んだ。



「あの……大丈夫、です。私、平気です」



お母さんの幸せの邪魔はしたくない。

あと2年したら大学生になるんだから、1人暮らしでもなんでもしたらいいんだっ……。

お母さんのためなら、怖いのなんて我慢できるっ……。



「でも……」



悠里さんの表情から、心配してくれているのがわかった。

その優しさだけで、頑張れると思った。

きっとその3人のご兄弟さんも、私みたいなのと関わろうとはしないだろうし……空気になればいいんだ! 空気に!



「ようやく2人が同じ家で生活を始めることができて……祝福したいんです。だから、私のことは気にしないでください」



そう言って、精一杯の笑顔を2人に見せた。