「はぁ……可愛いよ、桜ちゃん!」



私を見ながら、ご満悦な様子の日奈子ちゃん。

鏡に映る自分を見て、私はなんだか別の人を見ているような気持ちになった。

……すごい。

日奈子ちゃんがメイクや、ヘアアレンジをしてくれたおかげで、私の顔が随分マシに見える。


「ちょ、ちょっとはマシに見えるかな……?」

「いや、マシとかいうレベルじゃないよ! 千年に1人の美少女! ううん! 1万年に1人!!」



手を握りしめて熱く語る日奈子ちゃんに、くすりと笑ってしまう。

冗談だろうけど、それでもいつもの自分よりは数倍マシなことは確かだ。

下の下から、下の中くらいになれた気がするっ……。



「ほ、ほんとに可愛いのに……」



日奈子ちゃんはぼそりと呟いて、額を押さえている。

……?