でも、私がその先を話すよりも先に、目を見開いた万里くんが口を開いた。



「……気づいてたんだ」



今まで聞いたこともないような、弱々しい声。

思わず顔を上げた私の視界に映ったのは……。



「……それが桜の答えってこと?」



ひどく悲しんでいるような、今にも泣きそうな万里くんの表情。



「え……?」



万里、くん……?

どうしてそんな顔、してるの……?



「……わかった。急に部屋連れ込んで、ごめん」



言葉を失った私を見て、万里くんは諦めたように笑った。

そのまま、私を残して自分の部屋から出ていってしまう。

残された私は1人、その場に呆然と立ち尽くすことしかできなかった。