でも、万里くんがそんなことで怒るとは思えない……。



「たまたま、千里さんも買うものがあったみたいで……」

「千里さん……?」



いったい何が引っかかったのか、万里くんはさらに眉間のしわを増やした。



「何怒ってんの万里。ていうか桜ちゃん、この米どこに置いたらいいの?」

「あ、キッチンにお願いしますっ……」



なぜか意地悪な笑みを浮かべている千里さんに、そう返事をした。

「了解」と言って、キッチンのほうに歩いていく千里さん。



「……桜、ちょっと来て」



っ、え……?



「ば、万里くん……?」

突然手をつかまれ、引っ張られた。

そのまま、2階に連れていかれる。

わけがわからないまま、手を振り払うこともできず、そのまま2人で万里くんの部屋に入った。

バタンとドアが閉められ、2人きりになる。



「なんで千里と仲良くなってるの?」