「さっきの質問の答えだけど、俺たちは誰も反対しなかったよ。もうこの年だし、父さんにもいい人見つかればいいなぁと思ってたし」

「そうだったんですね」

「うん。それに、椿さん超美人だし」

「そ、そうだったんですか……」



初めて2人きりになったけど、長男さん……千里さんは、思っていたよりも話しやすい人みたい……。



「ただいまー」



千里さんのあとに続いて、家に入る。

リビングに入った途端、万里くんの姿が目に入った。

その表情は、怒っているような、心配しているような、よくわからない複雑な顔をしていた。



「……買い物行ってたの?」



私の前に歩み寄ってきて、そう聞いてくる万里くん。



「う、うんっ……」



ば、万里くん……なんだか不機嫌……?



「なんで千里と行ったの?」



私が声もかけずに買い物に行ったことを、怒ってるのかな……?