「特売のとき、目が輝いてるのがわかったよ。地味ちゃんって、ほんと俺の近くにはいないタイプ」



長男さんは、そう言いながら笑っている。

だ、だって卵がこんなに安いなんて、久しぶりだったから……。

きっと長男さんの周りには、綺麗でキラキラした女の人ばっかりなんだろうな……。私もそういう人なら……万里くんの隣に、いられたのかな……。

そんなことを思って、慌てて首を左右に振った。

また万里くんのこと……無意識に考えてしまうの、ほんとにやめなきゃっ……。

距離を置いてる意味がない……。



「そういえば、地味ちゃんって、男嫌いなんでしょ?」



直球な質問に、「こ、怖いだけです」と返事をした。

嫌いだとかじゃなくて、男の人に持っているのは恐怖心だから……。



「息子が3人もいるってわかってたのに、よく再婚オッケーしたね」

「息子さんたちがいるっていうのは、知らなくて……」