早く忘れなきゃ……と、頭の中はそればかりだった。
日曜日のお昼2時。
今日は私がごはん係だから、食材を買いに行こうと買いものリストを作る。
いつもは万里くんについてきてもらうけど、今日は1人で行くつもりだった。
万里くん、昼寝してるのかな……?
よし、この間に買い物へ行こうっ……!
行くってバレたら、きっと『一緒に行くよ』って言ってくれるだろうけど……万里くんと、一緒にいちゃダメなんだ、今は。
寂しさを抱えたまま、玄関に向かう。
「地味ちゃん、どこか行くの?」
ちょうど2階から下りてきた長男さんと鉢合わせて、一歩後ずさった。長男さんと三男さんとは相変わらず、適度な距離を保っている。
私も極力2人には関わらないし、2人も関わってこない。
「えっと……買い物に……」
そう返事をすると、長男さんは「あ!」と声を出した。