家の中では、極力会わないように部屋にこもった。

万里くんと会う回数を減らすように、でも怪しまれないように、必死に避けた。

だからといってこの気持ちが薄れることはまだなくて、忘れるには時間がかかりそう。

朝だけは……避けようがないから、変わらず一緒に登校している。

学校に向かいながら、万里くんが口を開いた。



「桜、今日の放課後……」

「あっ、今日は友達と勉強してから帰るから、先に帰っててほしいっ……」



この言い訳を使うのも、もう3回目だ。



「……うん、わかった」



万里くんの返事に、ほっと胸を撫で下ろすと同時に、罪悪感が込み上げた。

ごめんね、万里くん……。

私の勝手な事情で、避けてしまって……。

万里くんがせっかく、同じ家に住むもの同士、仲良くしようとしてくれてるのに……。