優しくされるたび、守られてるって思うたび、どうしようもなく好きだなって思ってしまう。

胸が苦しくて、悲鳴をあげていた。

もう……離れなきゃ。

少しの間、万里くんの側にいないほうがいい。近くにいたら……もっともっと、好きになってしまう。

この気持ちが消えるまで、万里くんから距離を置こう。

同じ家に住んでて距離を置くなんて不可能かもしれないけど、とにかく忘れる努力をしなきゃ。

万里くんを好きなのを――やめなきゃっ……。

その日から、私は極力、万里くんを避けるようになった。