イケメン同級生は、地味子ちゃんを独占したい。

とくにレンズの分厚いそれに、見覚えがあった。



「あっ……これ、前のメガネと似てるかもしれない」



メガネをかけてみると、プラスチックというだけで他は前のメガネと大差なく、違和感もなかった。



「どう?」

「うん、いい感じかなぁ」

「それじゃあこれにしよっか。貸して」



私からメガネを受け取った万里くんが、そのままレジに向かう。



「……これ、お願いします」



万里くんがそう言って財布を取り出したのを見て、慌てて止めた。



「万里くん、私、自分で……」

「いい。これは俺のわがままだから。払わせて」



え、ええっ……!?

わがままって、ど、どういうこと……?

私のものだから、私が払うのにっ……。

そう思ったけど、さらりとお会計を済ませてしまった万里くんに、お金を返すのも失礼な気がして、取り出した財布を戻す。