イケメン同級生は、地味子ちゃんを独占したい。

いったい何が“そういうこと”なんだろうと思ったけど、それよりも聞きたいことがあった。



「万里くん、ど、どうして駅に来たの……?」



今私たちがいるのは、駅前のお店が並んだ場所。

家とは真逆の場所だ。



「……こっち」



私の質問に返事はくれず、代わりに手招きをしてきた万里くん。誘われるがままついていくと、万里くんは1軒のお店に入った。

そして、とある商品が置いてあるコーナーで足を止める。



「これとかは? 前のと似てると思うけど」



いくつものメガネが並んだその場所から、1つ手にとった万里くん。



「えっと……メ、メガネを買いに来たの……?」

「新しいの、必要じゃないの?」



どうやら、私がメガネを壊してしまったから、新しいのを薦めてくれているらしい。