イケメン同級生は、地味子ちゃんを独占したい。

他意はないって、わかってるけど……ドキドキして、仕方なかった。



「……手、ごめん」



学校を出て、周りに生徒が減った頃、万里くんはようやく歩くスピードを緩め、手を離した。

手が離れたことに、一瞬寂しさを感じてしまって、慌てて首を横に振る。

寂しいとか、変なこと思っちゃダメ……!



「……メガネは?」



そう聞いてきた万里くんの声は、いつもより低かった。

万里くん、なんだか不機嫌……?



「あの、壊れちゃって……」

「メガネなくて見えるの?」

「あ……うん、伊達だからっ……」



いくつも返ってくる質問に、1つずつ答えていく。



「顔隠すためにかけてたってこと?」

「うん……昔、男の子と話すのも怖かったときに、お母さんが……『これをつけてたら平気だよ』って言ってくれたの……」

「……そういうことか」



そういうことか……?