イケメン同級生は、地味子ちゃんを独占したい。

まるで確認するようにそう聞かれて、首を傾げた。

……あっ、そっか……!

万里くんの前でメガネを取るのは初めてだから……。



「え、えっと、これはちょっと、いろいろあって……」



あまり顔を見られたくなかったので、そう言って視線を下げた。



「……ごめん、ちょっと我慢して」



え……?

ガシリと、手をつかまれる。

万里くんは、早足で教室を出た。

そのまま、小走りくらいの速さで廊下を進んでいく万里くん。私の手をつかんだまま、まるで私を背中で隠すように歩いている。

ど、どうしたんだろうっ……。

それにしても……手、が……。

握られた手から、熱が伝わってくる。

苦手な男の人なのに、万里くんに触れられるのは、少しも嫌じゃないと思った。

恋って……すごい……。

でも万里くん、好きでもない相手に、こんなことしたらダメだよ。勘違いされちゃう、よっ……。