イケメン同級生は、地味子ちゃんを独占したい。

「つ、つか、もともとはお前が引っかかるはずだったんだからな、謝れよ!」

「いや、引っかけようとしたほうが悪いだろ……! 桃井さん、大丈夫……?」



心配そうにこっちを見る男の子に、大丈夫という意味を込めて少しだけ微笑んだ。



「は、はいっ……」



男の子が怖いことには変わりないけど……近づかなかったら平気だ。

そう思った矢先に、なぜか男の子の1人がぐっと距離を詰めて、顔を覗き込んできた。

反射的に後ずさって、距離をとる。

や、やっぱり、怖いっ……!



「うわ、近くで見るとマジでやばい……」



……え?

やばい……?



「あれ、マジで桃井さん?」

「やばいじゃん、日奈子ちゃん並みに可愛いって……」

「プリンスの彼女っていうのも納得だわ」



よく見ると、教室中の視線が私に向けられていた。

な、なにっ……?