きっと、西田くんのことを言ってるんだろう。私は万里くんを見ながら、こくりと頷いた。


「何か言われてない?」

「平気だよっ」



心配をかけたくなくて、そう答える。



「桜優しいから、心配」



優しいのは、万里くんのほうだよ……。

心配そうに見つめてくる万里くんの視線に、そう思った。

いつもこんな私を気づかってくれて、万里くんは本当に優しいなぁ……。

そんな優しいところが、私は……。

っ、ダメダメ、好きなんて思ったら。万里くんは純粋に心配してくれてるだけなんだから。

これ以上好きになっちゃ、ダメだよっ……。

痛む胸を、バレないようにぎゅっと押さえた。


今日は日奈子ちゃんお休みか……。

風邪をひいたから欠席するという連絡をもらって、すぐに「ゆっくり休んでね!」と返事を送った。

放課後、授業のノートを届けてあげよう……!