子供をあやすように、よしよしと頭を撫でた。いつもは私がされる側だから、変な感じだなぁ。

でも、お母さんとっても嬉しそう。

よかったなぁ……ふふっ。



「椿さんから聞いていたけど……」



口を開いた悠里さんに、耳を傾ける。



「桜ちゃんは本当に、優しい子なんだね」



……え?



「とんでもないです」



慌てて首を振って、否定した。

優しくなんてない。

私はただ、お母さんのことが好きなだけで……。

自分の親に幸せになってほしいと思うのは、当たり前のことだと思う。



「ふふっ、自慢の娘よ」



お母さんの言葉に、恥ずかしくなって視線を下げた。

そう言ってくれるのは嬉しいけど……私なんて全然、ダメな娘だと思うのに……。



「ははっ、そうだね。君が言っていたとおりだ」



なんだかいたたまれなくて、ぺこりと小さく頭を下げた。